東京から遠く離れた南の島・奥津島に引っ越してきた高校2年生の男子・後藤凪は、風に飛ばされた麦藁帽子を拾ったのをきっかけに、島に住む同い年の女子・鳴海雫と出会う。雫の案内で、凪の目的地である「海の御先」と呼ばれる岬へ向かい、仲を深めた2人だったが、転校先の高校で再会した凪に対し、雫は冷たい態度を取る。
実は、雫は奥津島で信仰されている「龍神」に仕える巫女神・「御先の巫女」の1人で、島の住人からは神のように祀られており、気安く関わってはならない存在だった。海の御先に案内してくれた、明るく無邪気な雫とのギャップに釈然としない凪だったが、クラスメイトや島の住人の雫に対する態度、そして密祭である「龍神祭」での雫の姿に、雫が背負っているものの大きさを知る。
龍神祭を終え、同じく御先の巫女である南雲火凜・御剣そよぎと共に集められた雫は、今期転生した龍神を紹介される。ほとんど女児しか生まれない御先の巫女から、先代の龍神が亡くなった日に生まれた男児は龍神の生まれ変わりとされ、御先の巫女は龍神が現れると、その寵愛を賜るべく、奉仕しなければならない。顔を上げた雫達の目の前にいた龍神は、凪その人であった。
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